世界初の試みに成功しました。
イザイ作曲のヴァイオリン曲「ポエム・エレジアク」のチェロ編曲版楽譜を、ロシアの名チェリスト、アレキサンドル・クニャーゼフの編曲で出版。 また、イザイと親交があり、イザイから多くの音楽的インスピレーションを受けたフランスの作曲家、エルネスト・ショーソンの名曲・ヴァイオリンと管弦楽のための「ポエム(詩曲)」を、イザイ版に基いて室内楽に編曲し、楽譜として出版しました。(いずれも発行元:日本イザイ協会)
出版した楽譜は、作曲者の意図が如実に示される自筆譜複写をご提供いただいたベルギーやアメリカ、スイスの図書館などに寄贈して、国際交流の一翼を担うことが出来ました。
2019年5月1日刊行(世界初)
イザイ版に基づく【ショーソン:ポエムop.25 室内楽編曲版】
ソロヴァイオリン、弦楽四重奏、ピアノ
ベルギーの天才的ヴァイオリニストで作曲家ウジェーヌ・イザイと親交があったフランスの作曲家、エルネスト・ショーソンの名作で、今日ではヴァイオリニストのスタンダードレパートリーとなり、日本では「詩曲」の名で知られています。ショーソンはイザイの「ポエム・エレジアク」に影響を受け、オケ伴奏版とピアノ伴奏版を作曲しました、イザイの助言を仰ぎ完成した「ポエムop.25」はイザイによって各地で演奏され、聴衆を魅了していきました。この間、イザイはヴァイオリンパートに精緻な運指運弓、表情記号、装飾音、重音等書き加え、他8小節を変更したものを残しており、これが「ポエムop,25」イザイ版(ソロヴァイオリン+ピアノ)と呼ばれるものです。イザイとショーソンの絆で生まれた詩情あふれる作品を皆様に幅広く楽しんでいただくことを目指して、絶版となっているイザイ版を基にショーソンのポエム自筆譜米国議会図書館蔵(オケ伴奏)や作者不明の室内楽自筆譜ジュネーブ音楽院図書館蔵を参考にしながら、ピアニスト永田郁代が室内楽版に編訂し楽譜として出版いたしました。出版にあたっては日本を代表するヴァイオリニスト加藤知子が当版の編曲について監修しています。「ポエムop.25(詩曲)」室内楽編曲版の出版としては世界で初めての試みと言えるものです。
日本イザイ協会 永田郁代
★【E.Chausson: Poème basé sur la version E.Ysaÿe】
2019年4月15日刊行(世界初)
ポエム・エレジアクop.12 E.イザイ作曲
アレキサンドル・クニャーゼフによるチェロ編曲版
チェロ、ピアノ
ウジューヌ・イザイの作品番号のある21曲のうち、11曲に【ポエム】という副題が付けられています。それらの音楽的特徴は自由な形式において、協奏的作風やヴィルティオジティを取り入れ、ヴァイオリンの魅力を最大限に活かし、イザイの思考や理念を具体的なかたちで表した作品といえます。
「ポエム・エレジアクop.12」は,イザイが【ポエム】をもとにした作曲への情熱に火をつけた作品です。シェークスピアのロミオとジュリエットの悲劇に着想を得て1892年(34歳)にヴァイオリンとピアノのための作品として作曲されフォーレに献呈、近年ヴァイオリニストたちが好んで演奏・録音しています。チェロでの演奏はロシアの名チェリスト、アレキサンドル・クニャーゼフ氏がヴァイオリンパートをチェロに置き換えて演奏した2010年の録音があります。クニャーゼフ氏の了解のもとこの録音から採譜し、さらにイザイの自筆譜(ベルギー王立図書館蔵)に残された精緻な表現記号などから、イザイのこの曲に寄せる想いや意図の再現に努めました。(永田郁代)
※ポエム・エレジアクop.12 チェロ編曲版が演奏されます。
2024年5月30日【イザイとドビュッシー】
Vc.佐藤晴真 Pf.野原みどり
2024年9月12日 【イザイとフォーレ】
Vc.上野通明 Pf.北村朋幹